岐阜の鉄骨造・RC造解体費用：構造別の坪単価と見積もりポイント

解体工事をスムーズに進め、安心して完了できるよう、今回は以下の重要な情報について解説いたします。

• 構造別の坪単価

• 見積もりにおける重要ポイント

• 円滑な工事進行のための実践的な情報

建物の解体費用は、その構造と階数、地下の有無によって大きく変わってきます。建物が頑丈であればあるほど、解体にかかる費用は高くなります。

具体的には、以下の順で費用が増加します。

1. 木造

2. 軽量鉄骨造

3. 鉄骨造 (S造)

4. 鉄筋コンクリート造 (RC造)

5. 鉄骨鉄筋コンクリート造 (SRC造)

これは、構造体が強固になるにつれて、解体に多くの手間や時間、専門的な重機、熟練した職人が必要になるためです。さらに、頑丈な構造体からはより多くの廃材が出るため、その処分費用もかさみます。

階数・地下の有無が費用に与える影響

• 階数: 同じ床面積であれば、平屋よりも2階建ての方が解体費用が安くなる傾向があります。これは、2階建ての方が屋根や基礎の面積が小さくなるためです。

• 地下の有無: 地下階がある場合は、解体費用が割高になります。地下部分は構造が非常に頑丈であることに加え、解体後に穴を埋め戻す作業（埋戻し）が必要になるためです。

建物の解体費用は、敷地の立地や周辺環境によって大きく変わります。特に、作業が難しい場所では費用が高くなる傾向があります。

• 狭い道路や住宅密集地:

  • 手作業の増加: 重機が入れない場合や、隣の家との距離が近い場所では、手作業での解体が多くなります。これにより、工事にかかる期間が長くなり、人件費が大幅に増えます。

  • 厳重な対策: 住宅が密集している場所では、騒音やホコリを防ぐために、防音性の高いシートを二重に張るなどの特別な対策が必要になり、その分の費用もかかります。

• 交通量・人通りが多い場所:

  • ガードマンの配置: 通行人の安全を確保するため、ガードマンを配置する必要があります。その人件費が解体費用に上乗せされます。

複合的な影響と注意点

複数の困難な条件が重なると、費用は単にそれぞれの要因を足し合わせた以上にかかることがあります。

例えば、住宅が密集していて道路が狭い場所では、手作業が増えるだけでなく、ガードマンの配置、騒音・粉塵対策、さらには作業時間の制限など、様々な費用が同時に発生します。

このような難しい条件にある場合は、平均的な解体費用よりも大幅に高くなることを覚悟しておく必要があります。そのためにも、事前の現地調査が非常に重要です。

建物の解体費用は、その老朽化の程度やアスベストの有無によって大きく変動します。特に、これらは予期せぬ費用増加につながる可能性があるため、事前の確認が非常に重要です。

建物の老朽化と費用

建物が著しく老朽化している場合、解体中に予期せぬ倒壊のリスクがあります。そのため、重機を使うよりも慎重に手作業での解体が増え、工期が延びて人件費が高くなる傾向があります。また、倒壊によって廃材の分別が難しくなる可能性も考えられます。

アスベストの有無と費用

アスベストは、解体費用に最も大きな影響を与える要因の一つです。

• 費用が大幅に増加: 2006年の全面使用禁止以前に建てられた建物にはアスベストが含まれている可能性があり、その場合は特別な調査や撤去作業が法律で義務付けられています。これにより、費用が大幅に上乗せされます。

  • アスベスト除去費用は、一般的に1平方メートルあたり2万円～8.5万円が相場です（除去面積300平方メートル以下の場合）。ただし、使用されている面積や量、建物の種類（特にビル）によって費用は大きく変動します。

• 法的義務と罰則: アスベストの適切な除去は法的な義務であり、不適切な処理を行った場合、施主にも罰則が科される可能性があります。これは、選択ではなく必ず守らなければならないことです。

鉄骨造やRC造の解体費用は高額になりがちですが、いくつかのポイントを押さえることで費用を抑えられます。

1. 残置物はできるだけ自分で処分する

家具や家電、書類など、建物内に残された不用品は、解体業者に処分を依頼すると高額な産業廃棄物処理費用がかかります。自分で事前に処分することで、この費用を大幅に削減できます。特に、リサイクル家電などは家電量販店や自治体の回収サービスを利用しましょう。

2. 付帯工事は最小限にする

物置やカーポート、ブロック塀、庭木など、建物本体以外の撤去費用も総額に加算されます。自分で撤去できるもの、または解体と同時に行う必要がないものは、別途手配することで費用を抑えられる可能性があります。

3. 補助金・助成金の活用を検討する

自治体によっては、解体工事に対して補助金や助成金制度を設けている場合があります。特にアスベスト除去費用に対する補助金は多くの自治体で設けられています。事前に岐阜市の窓口に問い合わせて、利用できる制度がないか確認しましょう。

4.現地調査には必ず立ち会う

見積もりを依頼する際は、必ず現地調査に立ち会い、建物の状況や敷地の特性、残しておきたいものなどを業者に正確に伝えましょう。これにより、後からの追加費用発生のリスクを減らすことができます。

解体工事をスムーズに進めるためには、信頼できる業者選びと、法律を守った工事が何よりも大切です。

信頼できる解体業者を選ぶ

「異常に安い見積もり」には注意が必要です。不法投棄など、適切な処理を行わない業者である可能性があります。不法投棄が発覚した場合、施主も罰則の対象となることがあります。以下の点を確認し、信頼できる業者を選びましょう。

• 建設業許可や解体工事業登録があるか：解体工事を行うには必要な許可や登録があります。

• マニフェストを発行してくれるか：産業廃棄物が適正に処理されたことを証明する書類です。

• 保険に加入しているか：万が一の事故の際に補償される保険に加入しているか確認しましょう。

• 過去の実績や評判：同じような構造の建物の解体実績があるか、口コミや評判も参考にしましょう。

法規制と必要な届出

解体工事では、いくつかの法律を守り、役所への届出が必要です。

• 建設リサイクル法: 建物によっては、解体前に役所へ届出が必要です。岐阜県では届出後「建設リサイクル法届出・通知済シール」が交付され、現場に貼る必要があります。

• 騒音・振動規制法: 大きな音や振動が出る作業の場合、工事を始める7日前までに届出が必要です。岐阜市では見取り図や工程表の添付も求められます。

• アスベスト関連法規: アスベストが使われている建物の場合、適切な除去方法が法律で義務付けられており、事前に都道府県への届出が必要です。工事現場には、アスベストの使用状況の調査結果を掲示することも義務付けられています。

近隣トラブル対策

解体工事は、騒音やホコリなどで近隣とトラブルになりがちです。以下の対策をしっかり行いましょう。

• 工事前の近隣挨拶: 工事が始まる前に、業者と一緒に近所の方々へ挨拶に行き、工事の期間や内容を伝えて、理解を求めましょう。

• 防音・防振対策: 防音シートを二重に張る、振動の少ない重機を使う、防振マットを敷くなど、騒音や振動を抑える対策を業者に確認しましょう。

• 作業時間の配慮: 法律で定められた時間内でも、早朝や夜間の作業は避け、近隣の迷惑にならないような時間帯に作業をするよう業者と調整しましょう。

• トラブル対応体制: もし近隣トラブルが起きてしまった時に、業者がどのように対応してくれるのか、事前に確認しておくことも大切です。